高血圧 原因
高血圧の原因
血圧が慢性的に高い状態にある、あるいは、血圧の変動があまりに激しい状態にあること、それが高血圧なのですが、では、高血圧の患者さんは、なぜ血圧が上昇しているのでしょうか。
そもそも血圧とは、血液が血管壁に加える圧力のことをいいますが、その血圧を左右しているのは、心臓が1分間にどれだけ血液を送っているか(心拍出量)と、末梢血管が収縮もしくは拡張しているか(末梢血管の抵抗)とこの2点です。
心臓が心拍出量を増やそうとするときには、ポンプの役割をしている心臓が大量の血液を一度に送り出すため、血液の通り道である血管にも強い圧力がかかることになります。また、末梢血管が収縮するなどして、俗に血の巡りが悪くなっていると言われるようなときには、一定の血流を維持するために強い圧力を必要とします。したがって、血圧を上昇させてしまう原因となってしまうのです。
このように血の巡りが悪くなってしまう原因としては、血管の老化などが考えられます。血管壁が硬化したり、脂肪分などが内壁に付着して狭くなっている、すなわち血管が老化していると血液が通りにくくなり、つまりは高血圧になってしまいやすくなるのです。
高血圧と遺伝
原因には器質的なものと遺伝的なものがあります。そもそも、具体的な原因が特定できるものは二次性高血圧といって、ほかの内臓疾患の影響として高血圧が引き起こされている場合に限ります。しかし、この高血圧は日本人の1割程度に過ぎません。
本態性高血圧の原因は、生活習慣のほかに、遺伝が関係しているといわれています。高血圧のリスクを高めるもの、すなわち危険因子は遺伝以外にもストレス過多、糖尿病の傾向、肥満、偏った食事、喫煙、飲酒などがあります。これらが総合的に組み合わさって、本態性高血圧が引き起こされていると考えられています。
では、遺伝はどの程度影響しているのでしょうか。ある研究によれば、両親がそろって高血圧だった場合、子供が高血圧になる確立は50パーセント、片親だけが高血圧の場合には子が高血圧になる確率は30パーセント程度だったというデータもあり、遺伝による影響はかなりハッキリと認められているといえます。ただし、この数値からも分かるように、いかに遺伝的な危険因子をもっていると人でも、約半分の人が高血圧になっておらず、生活習慣によって高血圧を回避できる可能性が十分にあるということがいえます。逆に、近親に高血圧患者を全くもたない人であっても、高血圧になることがあるということも知られています。要は、自分次第ということになります。
日本人の高血圧
高血圧の進行は、通常、ゆっくりとしているものです。慢性疾患の一つで、よほどのことが無い限り、急に症状が悪化するというようなことはほとんどありません。しかし、逆に言えば治療に際しても、長期的な治療期間を要することがほとんどです。焦らずに落ち着いて治療に取り組み、症状が軽快したからといって、治療を中断することのないように気をつけましょう。
高血圧は、日本人によく見られる疾患です。高血圧と診断され治療に取り組んでいる患者、また、診断を受けていないながらも実際には高血圧という潜在的な患者を合わせると、約3500万人いるといわれています。また、高齢化はますます進み、飽食化や欧食化など食生活の変化で高血圧の患者数は増加を一途を辿っているといわれています。
年齢別の割合でいえば、30歳以上の男性の約50パーセント、女性の約40パーセントが高血圧だというデータもあります。このように潜在的な患者も合わせると大変多くの人が実は高血圧なのだということがわかります。
しかし、だからといって悲観する必要はありません。血圧は積極的に治療に取り組めば、コントロールできるものです。実際に、ある試算によれば国民全体の平均血圧が2mmHg下がれば、脳卒中による死亡者が1万人減るといわれているように、血圧コントロールができていれば合併症の発症リスクは限りなく低くなります。
高血圧と年齢
高血圧の原因のところでもお話したように、高血圧、特に日本人の大半を占める本態性高血圧は、血管の老化が深く関わっています。したがって、年齢によって高血圧の罹患率は変わってきます。ただし、若いからといって油断は禁物ですが。
30歳以上の男女は4割から5割が高血圧患者、または潜在的な高血圧患者であるということを説明しました。これは50代や60代も含め、30歳以上の人がすべて含まれています。若ければ若いほど高血圧の人は少ないのですが、50代の男女がちょうど平均の4割から5割、70代になると、約55パーセントの男女が高血圧となっています。
ここで注意しなくてはならないのは、高血圧は生活習慣病の一種であり、慢性疾患の一つです。老化も確かに影響しますが、若い頃からの積み重ねで高血圧になっているということです。つまり、若い人に高血圧が必ずしも多くないからといって、若いうちから不規則な生活を送っていると、年配になったときに高血圧にかかるリスクを確実に増やしてしまうということです。また、30代付近から高血圧にすでにかかっている人がいるということを考えると、むしろ子供のことから健康的な生活習慣を心がけ高血圧の危険因子を少なくしておく必要があるといえるでしょう。
高血圧と肥満
肥満の人は生活習慣病全般の罹患リスクが高いというイメージがあります。一概にはいえませんが、ほとんどその認識に間違いはありません。
言ってしまえば、肥満は高血圧患者にとって大敵です。肥満を改善することが、すなわち高血圧の治療の第一歩ということができるでしょう。ただし、肥満にも皮下脂肪型と内臓脂肪型という二つのタイプがあり、皮下脂肪型は食事制限によって解消できるといわれていますが、内臓脂肪型の場合は運動によってしか肥満が解消できないと言われています。どちらにせよ、食生活の改善と適度な運動は、高血圧のみならず、その人の健康に多く利するものなので、積極的に取り組むべきであるといえます。
さて、最近流行っている言葉に「メタボリックシンドローム」というものがあります。これは高脂血症や高血圧などの生活習慣病を予防するために設けられた言葉で、軽度から重度の内臓脂肪型肥満を指すものです。ウエスト径が男性で85cm以上、女性で90cm以上であれば「メタボリックシンドローム」の診断基準に引っかかってきます。最近になって体格差を無視した診断方法に批判もありますが、お腹だけが目立って出ているという人は、内臓脂肪型肥満で生活習慣病にかかりやすい傾向があることは事実ので注意してください。
高血圧とストレス
高血圧の原因はさまざまです。日常的にも高血圧の危険因子は多数存在しています。たとえば、人がストレスを受けると血圧が上昇します。ここでいうストレスとは、精神的な意味と肉体的な意味の両方を指しています。
精神的なストレスとは、いわゆる緊張だとかプレッシャー、フラストレーションなどに相当するものです。A型の人はしばしば几帳面で完璧主義、神経質だといわれることがあります。実は血液型は医学的にはなんの根拠にもなりませんが、そういったA型といわれるような性格の持ち主は、ストレスが溜まりやすいと考えられています。ですから、こういった傾向にある人は、ストレスケアや性格を直すように勤めてみてください。そのほか、仕事が忙しすぎるとか、あまりにもショックな出来事があったときにもストレスが過剰になる場合があります。一時的であればよいのですが、慢性的にストレスレベルが高い状態にあると高血圧を招きます。
肉体的なストレスというのは、特に特別な意味があるわけではなく、むしろ体に懸かる負担全般のことを指します。過度な飲酒、喫煙はもちろんのこと、睡眠不足なども肉体的なストレスということができます。これらのストレスは精神的なストレスと相まって、過剰になると高血圧のみならず様々な悪影響を及ぼすといわれています。健康的な生活を営むために、ストレスに気をつけてみてください。
