高血圧 予防
血圧の測定方法
高血圧は、一般的に加齢と共にリスクが高まり、罹患率も高くなってきます。ということは、若いうちから予防することが大事になってきます。
予防というといろいろな方法が考えられますが、まずは高血圧の発見と進行度合いの判断、血圧コントロールに役立てるのためにも「血圧の測定」が重要になってくるといえるでしょう。
高血圧というのは何度も説明してきたとおり、血圧が一定以上の水準で高く固定されている、もしくは、変動幅が激しいことです。この診断をするための血圧測定ですが、意外とやっかいなことが多いのです。というのも、日中の血圧は、そのときの状況によって変化しているため、時と場合によっては正確な診断が出来ない可能性があるからです。
したがって、血圧を測定するときはまずは落ち着いた場所で、そして、15分間くらいはなにもせずに安静にしてから測定してください。また、血圧測定の前には、コーヒーや酒類などのカフェインもしくはアルコールなど刺激物を飲んだり、たばこを吸うことのないようにしましょう。食品やたばこに含まれる成分によって血圧が上下している可能性があります。
家庭での血圧測定
血圧測定は病院での検診時に行うのもよいでしょう。診察室では水銀血圧計か、それと同じくらい正確な数値が測定できる自動血圧計で血圧を測定していると思います。しかし、定期的な検診だけではなかなか高血圧の実態を推し量りにくいところもあります。あとで説明しますが白衣高血圧など、そのときの血圧を測定するのは病院のほうが正確かもしれませんが、かといってその数値が病気の実態を正しく反映しているとは限らないのです。
最近は、「家庭血圧」という言葉も注目されています。病院や診療室での血圧測定と区別して、家庭で血圧した数値を別に記録しておくというものです。病院は独特な臭いや雰囲気があるものです。病院嫌いで、病院にいるだけで緊張するという人もいるでしょう。そういう人が病院で血圧を測定すると、必ず高めの数値が出てしまうものです。その血圧を信用して治療を行うと、血圧を下げる薬(降圧薬)を使ったときに血圧が下がりすぎて問題が生じることもあります。このようなことを防ぐためにも家庭血圧が重要視されるようになったのです。
以前は血圧計というと、扱いにくく高価なものでしたが、最近は比較的使いやすくて正確な血圧を測定できる自動血圧計などがでています。
体的な計測方法~いつ計るか~
血圧を家庭で計測するといっても、やみくもに計ればよいというものでもありません。どうせ計るなら、その人の病状をなるべく客観的に反映するように、計測方法にも工夫が必要です。
まず、血圧は朝と夜では異なる場合が多いので、血圧を測定するときは、同日内の朝と夜を必ずペアで少なくとも1回以上は計るようにしましょう。朝は、起きた直後でなくてもかまいません。起床後1時間以内に、できれば排泄を済ませてから落ち着いた状態で計るようにしましょう(朝食を摂る前に、また、降圧薬を処方されている人はそれを飲む前にしなくてはなりません)。夜は寝る前に、落ち着いているときに計測します。なるべく、いつも同じ時間に計ったほうが日々の変化を比較しやすくなります。
まだ、高血圧でないという人は週一回程度、あるいは、月一回程度でもよいでしょう。しかし、一度高血圧と診断され、治療中の人はそうはいきません。比較的リスクが低い状態で、血圧コントロールが安定していると判断できるときでも、最低でも週に3回は計らなくてはならないといわれています。治療を始めたばかり、あるいは、薬を変えたばかり、厳格な血圧コントロールを必要とするときには最低週に5回、できれば毎日計るとよいとされています。
具体的な計測方法~どのように計るか~
血圧測定方法にも注意しなければなりません。現在、多くの家庭用血圧計があり、昔と比べれば使いやすい血圧計もたくさん出ています。
ただし、指先や手首で測るタイプの簡易的な血圧計では、あまり正確に測れないといえます。というのも、高血圧かどうかの判断は、心臓とほぼ同じ高さの「上腕」で計るのが正しい計測方法とされているからです。実際に、指先や手首と上腕では数値が大きく異なることもあります。正確な血圧を測定したいという人は、やはり上腕で計れるタイプの血圧計を用意するとよいでしょう。
血圧の測定は静かな場所に座って安静にした状態で測定するように、ということは既に説明しました。そのほかに、食事や運動、喫煙の直後(30分以内)、極端に寒さや暑さを感じるような場所、精神的な動揺のあるときなどは測定しないようにしましょう。また、右と左で数値が異なる場合もあります。まずは両腕で計って、違うようであれば高いほうで計るようにするとよいとされています。
薬を使っていない人は、すでに説明したとおり、朝晩のなるべく同じ時間に測定します。降圧薬を飲んでいるという人は、降圧薬の効果を確かめるために日中の血圧も測るとよいでしょう。
計測した血圧は、脈拍とともにノートに記録して、受診するときには医師に確認してもらいます。
血圧計の種類
家庭用の血圧計には、多くの種類があります。具体的な使い方は各機器に付属している説明書を各自確認していただくとして、ここでは血圧計のいくつかのタイプについて解説します。
測定方法の基本は上腕測定です。しかし、簡易的な測定がしたい場合には手首や指先の測定方法ができる血圧計もあります。外出先で血圧を計測するとき、腕まくりが出来ない、しにくいというときは手首や指先の測定が便利でしょう。その場合は血圧値が上腕で測るよりもやや低めに出る場合が多いようです。そのことを頭に入れながら血圧コントロールの参考にするようにしてください。
上腕測定式血圧計は正確な血圧測定ができるという特徴があります。また、自宅での計測を前提としているので大きめですが、日々の血圧変化を記録していくのに便利な機能がついているものがほとんどです。特にスイッチ操作をしなくても腕を通すだけで計測できるものも多く、また、血圧とともに脈拍を測定できたり、測定した血圧を1ヶ月分程度自動記録してくれる機能が付いているものも少なくありません。購入するときはこれらの便利な機能の有無を参考に選んでみてください。
手首測定式血圧計や指先測定式血圧計には、持ち運べるような小型のものもあります。外出先で計測したいときなどにお勧めです。
白衣高血圧
家庭での計測とは反対に、病院での血圧測定は人によって正確な数値がでないことがあります。いわゆる「白衣高血圧」といわれる現象ですが、このように、その人の正確な血圧を反映していないものを参考に治療を開始すると誤った治療をしてしまう原因にもなります。
病院に外来で着たときに血圧を測ると、緊張感で血圧が上がってしまう白衣高血圧。白衣高血圧の人にも程度がありますが、病院で血圧を測定したときの値が、家で測った血圧よりも最高血圧で40mmHg以上、最低血圧で20mmHg以上高くなる人が20~30%ほどはいることが知られています。このような実態があるために、最近は家庭血圧が重視されているのです。
白衣高血圧の人は、病院で計った血圧が高くても家庭血圧が正常の範囲内にあれば、高血圧の治療を行う必要はありません。しかし、こういう人は環境によって血圧が左右されやすいということがいえ、ストレス型の性格の持ち主の人が多いのです。このような人は、のちのち持続性の高血圧になってしまうリスクが通常よりも高いといわれています。ただちに、特別な治療を開始する必要はありませんが、白衣高血圧といわれた人はストレスケアなどに注意してみてください。
